●海外作品
1.ブルー・シャンペン ジョン・ヴァーリイ(早川書房)
2.シェイヨルという名の星 コードウェイナー・スミス(早川書房)
3.天の筏 スティーヴン・バクスター(早川書房)
4.冬長のまつり エリザベス・ハンド(早川書房)
5.器官切除 マイケル・ブラムライン(白水社)
[コメント]
海外SFについては、ベストとすべき注目作が少なかった。今年は特に翻訳SFの出版点数が減少したこともあり、プロパーだけの範囲では選択が苦しかった。結局、たまたま翻訳が出た過去の作品がベスト1、2。ベスト3以降は一長一短があって、万人に推薦できるベストとはいえない。この結果は、ちょっとさびしい。
●国内作品
1.女性状無意識 小谷真里(勁草書房)
2.エイダ 山田正紀(早川書房)
3.天を越える旅人 谷甲州(東京新聞)
4.東亰異聞 小野不由美(新潮社)
5.タルカス伝(全五作完結)中井紀夫(早川書房)
[コメント]
毎年、出版点数の半分を優に占めるヤング・アダルトが読めていない。そういう状況でベストを選ぶのだから、選択範囲を自ら狭めての結果でしかないが、まずまずの収穫が得られた年だったと思われる。タルカス伝は93年暮れの出版なので、94年の収穫と言う感覚はあまりないものの、ベストの価値は十分あるだろう。