海外作品(順不同)
★スティーヴ・エリクスン『Xのアーチ』(集英社)
★C・スミス『第81Q戦争』(早川書房)
★イアン・バンクス『フィアサム・エンジン』(早川書房)
★グレッグ・ベア『火星転移』(早川書房)
★イアン・マクドナルド『火星夜想曲』(早川書房)
エリクソンは、著者特有の錯綜した時間もの。マージ・ピアシー『時を飛翔する女』は逆に未来世界と現在とを渡り歩くお話で、ベストからは外したが注目作だろう。 宇宙ネタの時事としても今年がピークを迎えた火星SFは、クセのある作品で毀誉褒貶さまざまな評判を聞く。評者としては、お話の素直さのベアと破天荒さのマクドナルドを対照させた形となった。 ギブソン『あいどる』、コールダー『デッドボーイズ』はややパワー不足で選外。 |
国内作品(順不同)
★梶尾真治『ちほう・の・じだい』(早川書房)
★椎名誠『みるなの木』(早川書房)
★谷甲州『星は、昴』(早川書房)
★筒井康隆『邪眼鳥』(新潮社)
★村田基『夢魔の通り道』(角川書店)
今回は短編集ばかりを選んだ。SFの熟成した味を感じさせ、しかも軽く読める作品集である。 これ以外でも、『戦争を演じた神々たちII』『光の王国』等、連作短編集がいくつか出ている。 長編のパワーという点では大原『アルカイック・ステイツ』や中井拓志『レフトハンド』だろうが、やや奔放すぎるようだ。 その他、大原、岬編の『SFバカ本』が続刊『白菜編』を出し、 『血』のようにホラー系のアンソロジイに面白いものが見られた。 |
岡本俊弥(オンライン・ブックレビュア)