96/12/8
高野史緒『ムジカ・マキーナ』(ミュージック・マシーン)(新潮社)
を今頃読む。世間一般では自然だといわれるけれど、近世ヨーロッパと現代のテクノロジーが交じりあう本書の設定にも、評者は相当な無理を感じるのである。後半、突然マッド・サイエンティストものとなるのも、奇異というか奇怪といえよう。とはいえ、同じ音楽物の『永遠なる天空の調』(ロビンスン)よりは分かりやすい。
96/12/14
幼稚園の『夫から妻へ送る言葉』コンテスト応募作品
今日もまた、子らと戦い猫を愛で、東奔西走その勇姿、愛しき妻よいま何処
ジョン・バーンズ『大暴風』(早川書房)
パニック小説は結構好きなのですが、残念ながら類型的パターンの作品が大多数を占めるのもやむを得ないともいえます。なんたって、パニックの原因には多様性があっても、人間模様はほとんど同じ、どうもそういうパターンには想像の余地があまりない。その中では、本書の展開などは異例中の異例ともいえるでしょう。とはいえ、最大風速が音速を越えるハリケーンの驚異、という惹句で期待をした人は怒るでしょうがね、まーSFではありますな。この点は、作者の混乱を表しているとも読めます。
96/12/30
イアン・バンクス『共鳴』(早川書房)
異常快楽殺人と思いきや、異常性格ばかりではなく、昔懐かしい政治色を出したところがバンクス風アレンジ。イギリスらしく、こんなひねくれた作品がベストセラーなのである。まあ、結末以外は類型とも読めるが。
青心社忘年会に今年も参加。足の指を骨折した斉藤芳子らと会う。参加者二九名。ギャザ(MTG)っている数名を無視して『ID4』(ビデオ)も見るが、まあこんなものか(とゆーよーな感想もむなしい)。宇宙人が弱すぎるけれど、これは戦争映画でドイツ軍が弱すぎるのと同じ理屈。至る所古いスタイルが使われている。アメリカでしか受けまいと思うがね。日本で当たってるのが不思議。ガメ2の類型といえるかも。
景品のタマゴッチとテトくんは大森・斉藤にトレード。ちなみに斉藤芳子のタマゴは正月あけに死んだらしい。