DAICON5ではアフターレポートを申し込み制(送料のみ参加者負担)にして、同時にアンケート調査を行った。その結果、661名(男性:491名、女性:171名)からアンケート回収ができた。これにはゲスト分は含まれないので、
一般参加者の凡そ3分の1強という数字である。男女比も一般参加者の割合をそのまま反映している。
この数字は少し奇妙に見える。スタッフや企画の印象よりも、大会全般の方が高印象なのである。別途書かれたコメントを読むと、居心地や雰囲気の良さを挙げている参加者が多い。どれか1つだけ記憶に残ったというより、一貫したコラボレーションを評価しているものと見なすことができるだろう。これは、企画のベスト・ワーストを集計した結果にも表れている。
順位 |
ベスト企画・男性 |
ベスト企画・女性 |
1 |
S年F組授業ライヴ(自主企画) |
岡本忠成の世界 |
2 |
SFと落語 関係と無関係 |
S年F組授業ライヴ(自主企画) |
3 |
25周年記念パネル |
SFと落語 関係と無関係 |
4 |
館内ロールプレイング |
ハリスンvsホーガン世界のSFを語る |
5 |
ハリスンvsホーガン世界のSFを語る |
時空の旅人 |
6 |
電脳都市とSF |
25周年記念パネル |
7 |
岡本忠成の世界 |
ファンタスティック・アート展 |
8 |
屋上ビアガーデン |
フレヴァリー・テール |
9 |
紅い眼鏡 |
SFマガジン創作教室 |
10 |
アマチュア・フィルム・コンテスト |
館内ロールプレイング |
順位 |
ワースト企画・総合 |
1 |
エンディング |
2 |
オープニング(CG) |
3 |
コスチュームショー |
4 |
ダーティペア予告上映 |
5 |
メカニコン(自主企画) |
これまでDAICON3/4でベストといえば、オープニング(アニメ)とコスチュームショーだったのだから、DAICON5には際立った違いがあるといえるだろう。ふつう、参加者の大半が見る目玉企画がワーストになった場合、大会全体の印象がこれほど良好なはずはない。一方、ベストは男女で大きな傾向の差が見られる。男性、女性の中でもベストとする企画はばらついている。それだけ、嗜好にあう企画が多岐に分かれて存在したのだといえる。これはワーストが共通していたのと逆の結果で、少数のワーストに、複数のベストという多様性がDAICON5の特徴だといっていい。
同じ傾向はスタッフについても表れている。スタッフが目立たないから「どちらともいえない」に投じた参加者が多い。スタッフが目立つ大会は概ねトラブルが多い大会なので、「目立たない程度に大会が運営されている」=「大会の印象がよい」という結果なのである。参加者アンケートを参照。
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