2019/8/4

草上仁『5分間SF』(早川書房)

草上仁『5分間SF』(早川書房)

カバーイラスト:YOUCHAN、カバーデザイン:早川書房デザイン室

 著者がJA文庫に入るのは、なんと20年ぶりのこと。短編集となるとさらに6年遡らなければならない(『江路村博士のスーパー・ダイエット』)。4半世紀の間、SF的設定とはいえミステリやYA向けの長編しか出ていないのだ。アンソロジイや『年刊日本SF傑作選』などに収録されることはあっても、短編は本にまとまらなかった。短編の名手なのに残念な状況だったといえる。本書には、1991年から2019年間のショートショート16編が収められている。

 危険を伴うナンブラーの不死身揚げとは「マダム・フィグスの宇宙お料理教室」、臓器果樹園に実るカンゾウの実には曰く因縁がある「カンゾウの木」、何度も何度も殺しを続ける時間殺人者「断続殺人事件」、シミュレーションにより未来が明らかな2人「ひとつの小さな要素」、ありえない組み合わせの2人の結婚は許されるのか「結婚裁判所」、異星の恋人の態度急変に戸惑う留学生「二つ折りの恋文が」、究極まで役割分担が進んだ惑星では何事も進まない「ワーク・シェアリング」、予知能力者があたり前の社会で起こる殺人事件「予告殺人」などなど。

 ショートショートは100年近くの歴史がある小説形式だが、時代によって流行り廃りもある。最近は、田丸雅智の一連の作品や、北野勇作《じわじわ気になる100字の小説》(その前の『54字の物語』)などにより、再び注目を集めるようになった。海外でもフラッシュ・フィクション(1000語小説)などが流行るのは、短い文章が主流のネットやスマホを常用する人が増えたからかもしれない。草上仁のショートショートはtwitter小説ほど短くはなく、原稿用紙換算20〜30枚未満、(5分で読むのは難しいが)10分くらいで読み切れるコンパクトさが再評価されたのだろう。コマ切れの通勤読書でも問題ない長さだ。

 ショートショートの分量では、人物を細かく描写する余裕はない。記号的な無味乾燥の人物が、オチに至る筋書の上を機械的に歩いて終わり、という作品が多くなる。その点、草上仁の場合は「ひとつの小さな要素」「二つ折りの恋文が」など、主人公に感情移入できるものもある。全体を読んでいる中では、考えオチばかりではなく、感情に訴えて終わる作品も悪くない。

 本書の雰囲気は、しかしクラシックなショートショート集そのものだ。書かれた時期はほぼ30年間にわたる(ユビキタスなど流行用語も混じる)が、総じて時事性は薄く、スタイルは同じでぶれがない。すべてのお話にオチがつき、ちょっとした甘味/辛味の余韻が残る。見た目についても、星新一が書き真鍋博がイラストを描いていた原初ショートショート集が、著者とYOUCHANによってみごとにリニューアルされている。


2019/8/11

ハーラン・エリスン編『危険なヴィジョン1』(早川書房) ハーラン・エリスン編『危険なヴィジョン2』(早川書房) ハーラン・エリスン編『危険なヴィジョン3』(早川書房)

ハーラン・エリスン編『危険なヴィジョン〔完全版〕』(早川書房)
Dangerous Visons,1967(伊藤典夫・浅倉久志・他訳)

カバーデザイン:川名潤

 原著が出てから52年(アポロ月着陸より前)、翻訳版の第1分冊が出てから36年が経過(第2、第3分冊は出なかった)。世にいうところの(未完)伝説の一つである。今回の完全版(初訳/新訳/改訳を含む)により、全部で33編(作家は32名+序文アシモフ)を収録するアンソロジイの全貌が初めて明らかになった。エリスン再評価が進む中での刊行のため期待も大きい。半世紀を経て、いまでも「危険」なのか、どういう「ヴィジョン」なのか興味は尽きないだろう。

 アシモフ(47)「序文」SFの現在(当時)の位置づけと、エリスンとの出会いについて。レスター・デル・レイ(52)「夕べの祈り」残虐な簒奪者の監視から逃れるため、男はある平穏な惑星に身を隠していた。ロバート・シルヴァーバーグ(32*)「蠅」漂流船の中で虫の息だった主人公は何ものかによって修復される。フレデリック・ポール(48)「火星人が来た日の翌日」火星人が現れる直前の夜、ふだん閑散としている田舎のモーテルは報道陣でごった返す。フィリップ・ホセ・ファーマー(49)「紫綬褒金の騎手たち、または大いなる強制飼養」紫綬褒金というある種のベーシックインカムにより人々が仕事から解放されたあとの社会。ミリアム・アレン・ディフォード(79)「マレイ・システム」凶悪な犯罪者たちのさまざまな行状に対して、あるシステムが考案される。ロバート・ブロック(50)「ジュリエットのおもちゃ」人類が激減した未来、19世紀から1人の男が〈旅行機〉に乗せられて送り込まれる。ハーラン・エリスン(33)「世界の縁にたつ都市をさまよう者」世界最後の無菌都市シティをさまよう男の生きつく果て(ブロック作品の続編として書かれた)。ブライアン・W・オールディス(52)「すべての時間が噴きでた夜」時間ガスを引くことで自在に時をもどせるようになった社会。田舎町の自宅で思わぬ事故が発生する。

 ハワード・ロドマン(57)「月へ二度行った男」その男は、子どものころに行った月に再び行ったのだ主張する。フィリップ・K・ディック(49)「父祖の信仰」全体主義に支配された世界、主人公は得体の知れない傷病兵から受け取った嗅ぎタバコである真実を知る。ラリイ・ニーヴン(29*)「ジグソー・マン」過酷な刑罰を待つ受刑囚が、決死の逃亡先で見たもの。フリッツ・ライバー(57)「骨のダイスを転がそう」ギャンブル好きの男は、墓場だったところに大きなカジノができていることに気が付く。ジョー・L・ヘンズリー(51)「わが子、主(しゅ)ランディ」少年は知恵遅れと思われていたが、秘められた力を有するようだった。ポール・アンダースン(41)「理想郷」並行時間線の彼方にあるエウトピアから、さまざまな勢力が群雄割拠するアメリカを訪れた男の冒険行。デイヴィッド・R・バンチ(42)「モデランでのできごと」/「逃亡」人々が全金属化した世界モデランでは、生身の人は侮蔑の対象でしかない/空気を伸ばす作業に従事する男の独白。ジェイムズ・クロス(51)「ドールハウス」破産の危機に陥った男は未来を予見するというドールハウスを入手する。キャロル・エムシュウィラー(46)「性器(セックス)および/またはモリソン氏」太った男モリソン氏を、異様なまでに興味を持って観察する一人の女。デーモン・ナイト(45)「最後の審判」荒れ果てた大地の世界に最後の審判の日がやってくる。

 シオドア・スタージョン(49)「男がみんな兄弟なら、そのひとりに妹を嫁がせるか?」貴重な資源が眠っていると思われる惑星だったが、なぜか交通手段も情報も極端に少なかった。ラリイ・アイゼンバーグ(48)「オーギュスト・クラロに何が起こったか?」クラロの偉大な発明品は大変な騒動を巻き起こす。ヘンリイ・スレッサー(50)「代用品」核戦争後のアメリカ、ピースステーションにたどり着いた兵士が知る現実。ソーニャ・ドーマン(53)「行け行け行けと鳥は言った」女は走り続ける。原始的で腕力だけに堕ちた世界の中を。ジョン・スラデック(30)「幸福な種族」中枢コンピュータ集合体によりすべての人々から仕事は無くなったが、コンピュータは異様なまでにおせっかいだった。ジョナサン・ブランド(?)「ある田舎者との出会い」学術会議のあと、バーで出会った異星から来た老教授と交わした会話の顛末。クリス・ネヴィル(52)「政府印刷局より」三歳半の少年が抱く、両親や大人に対する猜疑心。R・A・ラファティ(53)「巨馬の国」インドを旅する2人の頭の中に、なぜか未知の言葉があふれ、やがて見知らぬ土地が姿を現す。J・G・バラード(37)「認識」田舎町の外れにやってきた、巡回動物園の檻の中にいたものとは。ジョン・ブラナー(33)「ユダ」車輪のシンボルを掲げる教会に現れた男は、神との面談を求めるが。キース・ローマー(42)「破壊試験」公安警察に捕まった反体制派のリーダーは、強力な自白装置にかけられるが未知の力により妨害を受ける。ノーマン・スピンラッド(27*)「カーシノーマ・エンジェルス」機知を利かせ順調に財産を増やした男は、最後に自身を襲う病と闘うことになる。ロジャー・ゼラズニイ(30)「異端車」リバイバルした機闘士(メカドール)は、襲いかかる車を次々と屠っていったが。サミュエル・R.ディレイニー(25*)「然り、そしてゴモラ…」さまざまな都市に降り立った宇宙飛行士(スペーサー)たちは、フレルクを探してさまよう。
 かっこ内は原著出版当時の年齢、*:2019年8月時点での存命者

 主要作品だけと思っていたが、結局全部の作品について一言いれてみた。本書で書かれたセックスや宗教的タブーは、スタージョンを除けば古びてしまったものが多い。今日的なPCに適合しない(意図せざる)描写もある。しかし、ソーニャ・ドーマンのように問題が今でも通用する作品もある。注目ポイントを並べていくと、ファーマーはジョイスのパロディでもある文体(後半読みやすくなる)、オールディスの皮肉ぽいユーモア、ディックはドラッグ小説風に書かれたディストピア、ティム・バートンの人形アニメを見ているようなライバー、キャロル・エムシュウィラーは時代を超越した奇想小説のお手本、ラファティやバラードはそれぞれの持ち味だろうか。巻末には、スタイルで読ませるゼラズニイとディレイニーが並ぶ。ディレイニーはいつ読んでもスタイリッシュ。

 何しろ半世紀前なので、収録作家でいまも存命なのは当時20-30代だった4名のみ(1割ちょっと)。シルヴァーバーグは日本で評価される『時の仮面』や『夜の翼』を書く前、濫作時代末期ごろ。ニーヴンはデビュー間もない新人作家で『リングワールド』を書くのはさらに3年後、スピンラッドは『鉄の夢』などの代表作を書く前、ディレイニーは『バベル17』を出したばかりだった。こうして見ると、収録作家の年齢が意外に高いことが分かる(平均45歳)。型破りを狙うにはちょっと若さに欠けるが、作家的には絶好調の時期ともいえる。エリスンはコアなファンが集うファンダム上がりの作家だ。同時代で読んできた(一回りから二回り)年上の作家の方が、むしろ身近に感じられたのかもしれない。

 アシモフが序文で書き、解説の若島正、柳下毅一郎も指摘するとおり『危険なヴィジョン』は、アンソロジイ以前にエリスン自身の本である。大量に書かれた序文にこそ、ヴィジョンの本質があるともいえる。各著者の人となり、エリスンとの関係、著者や作品に対する意義や考え方が、きわめて「主観的」に書かれているからだ。エリスンをイメージする「危険」を前面に押し出しながら、実際は時代に即したエリスンなりの「本流であるべきSF」を選んだのだろう。エリスンはこのとき33歳だった。どのぐらいの若さだったのかというと、時代も違うし、当時すでに流行作家だったエリスンと新人を比較するのは不公平だが、たとえばいまの小川哲と同い年、伴名練が今年編集を思い立って2年後に出版すると同い年(実際本書の完成まで2年かかった)、そんなイメージになる。

 ところで、本書が出て分量が倍増された続刊Again Dangerous Visions:危険なヴィジョン再び(1972)が出たころ、評者らはニセモノめいた標題のファンジンを作っていた。「XXXXX」「XXXXX再び」「最後のXXXXX」というものだった。本家の完結編が出るまでに「最後の」を出そう、内容は倍増だと意気込んで製作したが、結局本家のLast Dangerous Visons:最後の危険なヴィジョンが出ることはなかった。そのファンジン『最後のれべる烏賊』が出てから、もう44年が経つ


2019/8/18

大森望責任編集『NOVA 2019年秋号』(河出書房新社)

大森望責任編集『NOVA 2019年秋号』(河出書房新社)

装幀:川名潤

 「小さなSF専門誌」と称する雑誌風になったオリジナル・アンソロジイ《NOVA》の第2弾、昨年末に出た『2019年春号』に続く一冊だ。収録作家は一変、重複はない。作品数は前回の10編が、中編クラスが増えた関係で9編となっている。

 谷山浩子「夢見」中学時代から仲の良かった女子高生三人組、その一人が自分の見た夢について語るのだが。高野史緒「浜辺の歌」近未来、AI介護士たちに助けられながら、日々を暮らす老人が口ずさむメロディ。高山羽根子「あざらしが丘」伝統文化である捕鯨を守るため、培養された鯨を狩るアイドルグループあざらしが丘。田中啓文「宇宙サメ戦争」宇宙船マンタ―プライズ号は海賊の首領を護送中に敵海賊船に襲われる。そこは人類ではなくサメ類が支配する宇宙だった。麦原遼「無積の船」たまたま出会った中学の同窓生との相談話は、フラクタルから始まりマンデルブロ、ジュリア集合へと進んでいく。アマサワトキオ「赤羽二十四時」バイト中の主人公はコンビニ強盗に遭遇、不安定化した店舗の野生化騒動に巻き込まれる。この世界のコンビニは生物なのだ。藤井太洋「破れたリンカーンの肖像」書き込み以外あらゆる物理要素が一致する2枚の5ドル札、持ち主は時間旅行の仕組みを滔々と説明するが。草野原々「いつでも、どこでも、永遠に。」寮のルームメイトに恋する女子高生は、片思いの恋人の裏切りを許せず宇宙的規模で暴走する。津原泰水「戯曲 中空のぶどう」故郷の高層ビルでマンドリンを弾く主人公の周りに、かつての知人たちが順次やってくる。

 編者に思い入れがある谷山浩子の夢小説ではじまり、(たまたま)話題となった津原泰水の巧さが際立つ戯曲で終わる構成。捕鯨アイドルに培養鯨と、相変わらず破天荒な設定の高山羽根子。田中啓文は趣味のサメを前面に打ち出し、クラークにはじまり因幡の白兎に至るまで、物語を広げるのではなく縮退させる。両者とも得意技を繰り出した作品だろう。藤井太洋は変格アイデア小説かと思いきや、理屈を押さえた時間ものになっている。これは、読み切りながら《時間調停官》の連作短編である。

 新人枠ではゲンロンSF創作講座の麦原遼、アマザワトキオとハヤカワSFコンテストの草野原々が入っている。麦原遼は若い女性二人の会話が数学用語だらけに変容していくありさまが異様。この作者のハードSFは不条理小説に通じる。アマサワトキオはコンビニを舞台とするバトルなのだが、なぜか店舗が野生動物になっている。非現実の世界なのに、コンビニ業界は現在のままなのである。草野原々は、いつものエスカレーションが『スターメイカー』クラスにまで及ぶ。次はどうするのかと心配になる。

 オリジナル・アンソロジイという表現は用いられていない。一般への分かり難さに配慮したのか、読み切り形式の専門誌なのだと明記している。全編読み切りのみでエッセイ類も入れないのは、(特別号などを除けば)紙版文芸誌で見られなくなったスタイル。この調子で、年2回程度のいまのペースが続くことを期待したい。


2019/8/25

伴名練『なめらかな世界と、その敵』(早川書房)

伴名練『なめらかな世界と、その敵』(早川書房)

装画:赤坂アカ、装幀:早川書房デザイン室

 発売前即重版決定。伴名練による、2010年の第17回日本ホラー小説大賞短編賞受賞作を収めた『少女禁区』(中短編2作を収める薄い本だった)以来の第2短編集であり、著者のSF短編集としては初の単行本にあたる。受賞以降の活動を考えると、ホラー小説大賞は畑違いだったのだろう。

 なめらかな世界と、その敵(2015)転入生の少年は少女の幼馴染だったが、なぜか少女たちを拒絶しようとする。ゼロ年代の臨界点(2010)20世紀のゼロ年代に、わが国のSF創世記を形作る女性SF作家たちが活躍する。美亜羽へ贈る拳銃(2011)脳科学を牛耳る2つの財閥が対立する中で、主人公は敵方の養女と親しくなれと促される。ホーリーアイアンメイデン(2017)昭和初期ごろのいつか。特殊な能力を持った姉に対し綴られる妹からの便り。シンギュラリティ・ソヴィエト(2018)宇宙開発に替わって人工知能開発に成功した70年代ソ連では、シンギュラリティを越える存在が生まれていた。ひかりより速く、ゆるやかに(書下ろし)修学旅行生たちを乗せた新幹線で、ある不可解な事故が発生する。不参加だった生徒2人にはさまざまな難事が降りかかるが。

 書下ろしを除く収録作のすべてが同人誌掲載作である(このうち4編は大森・日下編の《年刊日本SF傑作選》に転載された)。なぜ同人誌なのかについては、著者による謝辞に詳しく書かれている。とはいえ、同人誌が有力発表媒体だった宇宙塵の時代でも、このような例(同人誌→アンソロジイ→単行本)は稀と思われる。

 正直なところ、伴名練は評価が難しい作家だった。文章や構成力の素晴らしさは理解できるのだが、(寡作にもかかわらず)傾向が多様な作品群の中で、いったい何を狙っているのかが分かり辛かったからである。パロディめいた標題なのに、元ネタ(例えば「ひかりより速く、ゆるやかに」では元ネタの書名が本文中に明記されている)のパスティーシュや2次創作ではない。実験的な手法を試しているという風でもなかった。

 しかし本書を一貫して読むと、いくつかの共通項が見えてくる。止む終えない理由で頑なな少年と解きほぐそうとする少女、取り柄のなさそうな男と思わぬ行為に走る天才科学者の女、弱気で逃げ腰の少年と乱暴で行動派の少女、他の作品でも第1世代SF作家の女性たち、世界を変える能力を手にする姉と妹、アメリカスパイに対するソ連の女性と、これら作品の多くは(時系列的に)存在しなかった並行世界で、女性が世界を変える物語である。そこは未知の世界ではあるけれど、見失った「きぼう」を孕む約束の地ともいえる。

 本書は、京都アニメーションの事件とたまたま同じ時期に出ることになった。著者は印税を(義援金に)寄付するとしている。巻末の書下ろし作品は、特に今回の事件とシンクロする面が多い。意図してできるものではないが、そういう意味でも印象的な出版となった。

 さらに、伴名錬は本書に書かれなかった「あとがき」を別途発表している。その中ではひたすら影響を受けた短編または長編を含む叢書、アンソロジイを挙げて、それらに対するリスペクトを書き連ねている。ただし、その分量が尋常ではない(1万字)。しかも、末尾に独自のアンソロジイ作成を宣言している。つまり、いまから序文を書き溜めて、2年後に『危険なレトロヴィジョン』を出すという意味なのだろう。