OSAKA2045 北野勇作「バンパクの思い出」20年前なのか75年前なのか、混在する2つのバンパクの思い出が余談を交えながら語られる。玖馬巌「みをつくしの人形遣いたち」夢洲にある万博跡地の科学館で、コミュニケーターを務める主人公と先輩や館長、AIの目指すものとは。青島もうじき「アリビーナに曰く」70年万博が持続され75年を経た世界で、瓦礫から生まれたアリビーナは月を目指す。玄月「チルドボックス」先の万博の年生まれの老人と、後の万博生まれの若者が同居する靭公園近くのマンション。中山奈々「Think of All the Great Things」10編のSF俳句が映し出す十三(じゅうそう)の人々の生きざま。宗方涼「秋の夜長に赤福を供える」絶えようとする伝統の菊人形を守る、枚方市に住む祖父親子3代の奮闘記。牧野修「復讐は何も生まない」IRの失敗、南海トラフ地震による水没を経て荒野と化した夢洲で、荒んだ会話を交わす2人の女は待ち受ける男たちと対決する。正井「みほちゃんを見に行く」主人公の伯母にあたるみほちゃんは寂れた地域に住む。スキルがあるのに定職につかず独り身のみほちゃんは、なぜそんな生き方を選んだのか。藤崎ほつま「かつて公園と呼ばれたサウダーヂ」バーチャル空間の中では、好きな時代の長居公園を選ぶことができる。それは亡くなった叔父の足跡を再現する旅でもある。紅坂紫「アンダンテ」活動への資金援助を絶たれ、インディー音楽が廃れた大阪で、かつて街を棄てたバンド3人組がコンサートを開こうとする。蜂本みさ「せんねんまんねん」(先行発売特典)2045年、堺の小学生が発信した音声メッセージは、同じ大阪の見知らぬ誰かからの返信をもらう。