Checklist とは、1979年のSF宝石誌にはじまった、長大なブックレビューである。その月に出たすべてのSFをレビューするという意欲的な中身だった。ここには、評者に関連した各年の概要とレビューを収録した。 1979年から92年まで13年間にもわたるため、手書きのファイルもある。その部分は掲載号からPDFにて収録した。デジタル化部分も初期のものはCPM/86のファイルだった（そのため、一部漢字コードに互換性がなく文字化け部分が残存する可能性がある）。後に、MSDOSのファイル（管理工学研究所の松）、WindowsのMSWORDと変遷。 尚、各作品の収録年はレビューが載った雑誌の年度によっているため、奥付けの年度とずれているものがある。その場合でも、概要にあるベスト作品の選出は奥付け年月日によっている。 （*ちなみに、グローバルスタンダードとなるPC/ATが発表されたのは1984年、NECの国民機PC9801初号機が発売されたのは1982年である。家庭用ワープロの普及もその後のこと。2006年からPDF化に着手） チェックリストをめぐる時代 1979年から始まったチェックリストの概要、時代背景を述べたもの。担当レビュアーの在任期間等も記載した。 SF宝石の時代（1979年8月〜81年6月） スターウォーズにはじまるSFブームは、多数の新SF雑誌を生んだ。SF宝石は1979年8月から隔月で刊行されていたが、翻訳中心の編集が受けず1981年6月号を最後に廃刊となった。しかし、その中でチェックリストだけは生き残り、次のSFアドベンチャーに引き継がれた。 この時期のレビューはPDFで収録した（PDFは72dpi/100%表示で見やすくなります。2006.5.7）。 【79年】 SF宝石1号（8月）　2号(10月)　3号(12月) 【80年】 SF宝石4号(2月)　5号(4月)　6号(6月)　7号(8月)　8号(10月)　9号(12月) 【81年】 SF宝石10号(2月)　11号(4月)　12号(6月) SFアドベンチャーの時代１（1981年7月〜12月） SFアドベンチャーに移ったチェックリストは、SF宝石のレイアウトや書評の継続性を重視し、異例の「まるごと移籍」を果たした。この時期のブックレビューはPDFで収録した（2006.7.23）。 また、SFアドベンチャーではレビューのメンバーがかなり変動している。そのため、時期を区切って、いくつかのパートに分割した。 【81年】 SFアドベンチャー20号（7月） 21号（8月） 22号（9月） 23号（10月） 24号（11月） 25号（12号） 1982年から1986年9月 現代SFの完成期にあたる時代であり、SFの出版点数も急速に伸びていった。サイバーパンクの代名詞『ニューロマンサー』の刊行は1986年のことである。 この時期も84年半ばまでは手書き原稿だった。手書きのブックレビューはPDFで収録した（2006.8.13） SFアドベンチャーの時代２（1982年） 【82年】 フィメール・マン（ラス）   沈黙の声（リーミイ）  さらば、ふるさとの星（ホールドマン）   やぎ少年ジャイルズ（バース）   S-F図書解説総目録（石原藤夫）   竜の卵（フォワード）   夢の棲む町/遠近法（山尾悠子）   銀河ヒッチハイクガイド（アダムス） SFアドベンチャー26号（1月） 27号（2月） 28号（3月） 29号（4月） 30号（5月） 31号（6月） 32号（7月） 33号（8月） 34号（9月） 35号（10月） 36号（11月） 37号（12月） SFアドベンチャーの時代２（1983年） 【83年】 あなたの魂にやすらぎあれ（神林長平）   ストーカー（ストルガツキー）   筒井康隆全集  巨人たちの星（ホーガン）  ベストSF１（ハリスン＆オールディス）   ありえざる伝説（ゴールディング他） 夢の蛇（マッキンタイア）   野獣の書（ストールマン） SFアドベンチャー38号（1月） 39号（2月） 40号（3月） 41号（4月） 42号（5月） 43号（6月） 44号（7月） 45号（8月） 46号（9月） 47号（10月） 48号（11月） 49号（12月） SFアドベンチャーの時代２（1984年） 【84年】 戦闘妖精・雪風（神林長平）   虚航船団（筒井康隆）   砂漠の神皇帝（ハーバート）   サンドキングズ（マーチン）   フライディ（ハインライン）   禅銃（ベイリー）  スターシップと俳句（スチャリトクル） その他84年の作品 SFアドベンチャー50号（1月） 51号（2月） 52号（3月） 53号（4月） 54号（5月） 55号（6月） 56号（7月） 57号（8月） 58号（9月） 59号（10月） 60号（11月） 61号（12月） SFアドベンチャーの時代２（1985年） 【85年】 氷（カヴァン） 首都消失（小松左京） ミレニアム（ヴァーリイ） 空白の大涅槃（荒巻義雄） その他85年の作品 SFアドベンチャー62号（1月） 63号（2月） 64号（3月） 65号（4月） 66号（5月） 67号（6月） 68号（7月） 69号（8月） 70号（9月） 71号（10月） 72号（11月） 73号（12月） SFアドベンチャーの時代２（〜1986年9月） 【86年】 串刺し教授他（筒井康隆他）   マラキア・タペストリ（オールディス）   その他86年の作品（前半）、86年の作品（後半） SFアドベンチャー74号（1月） 75号（2月） 76号（3月） 77号（4月） 78号（5月） 79号（6月） 80号（7月） 81号（8月） 82号（9月） 1986年から1987年 チェックリストとしては、この時期が最大の書評者数を抱えていた。それだけ出版点数が多かったからである。 SFアドベンチャーの時代３（1986年10月〜12月） 【86年】 老いたる霊長類の星への賛歌（ティプトリー） SFアドベンチャー83号（10月） 84号（11月） 85号（12月）   SFアドベンチャーの時代３（1987年） 【87年】 未来視たち（大原まり子）   夢の木坂分岐点（筒井康隆）   砂丘の大聖堂（ハーバート） その他87年の作品（前半）、87年の作品（後半） SFアドベンチャー86号（1月） 87号（2月） 88号（3月） 89号（4月） 90号（5月） 91号（6月） 92号（7月） 93号（8月） 94号（9月） 95号（10月） 96号（11月） 97号（12月） 1988年から1992年 この時期、評者数を絞り込み、対象を厳選する方向が強まった。チェックリストのスタイルとしてみた場合でも、ほぼ理想的な状態に近づいたといえるかもしれない。これまで1ページ3段組で3編だったレビュー欄が、1ページ2編のレビューと1.5倍に拡充されることにより、より踏み込んだ内容となった。 【88年】 たった一つの冴えたやり方（ティプトリー）　エンダーのゲーム（カード）　彗星の核へ（ベンフォード＆ブリン）　征地球論（藤子不二雄Ｆ）　奇人宮の宴（パワーズ） その他88年の作品（前半）、88年の作品（後半） 【89年】 ダンス・ダンス・ダンス ミクロの決死圏２ その他89年の作品（前半） 89年の作品（後半） 【90年】 完全な真空 帝王の殻 ハイブリッド・チャイルド その他90年の作品（前半） 90年の作品（後半） 【91年】 91年の作品（前半） 91年の作品（後半） 【92年】 92年の作品 作者別50音順索引 ＳＦ宝石、ＳＦアドベンチャーで評者がレビューした作品のみを分類した。